強い訛りなどがなくあまり方言のイメージがない静岡ですが、静岡方言では語尾に特徴があります。「〜だら」「〜ら」といった言葉が静岡定番の言い回しです。

静岡の方言は、東部方言・中部方言・西部方言に分けることができます。

東部方言は伊豆半島や駿河東部に当たる部分の方言で、「〜べ」など西関東方言的特徴を持っています。

中部方言は駿河西部や遠州東部に当たる部分の方言で、過去を振り返る時などに使う「〜け」が特徴的です。中部では東部方言の特徴である「〜べ」はあまり使いません。

西部方言は遠州東部以外の遠州全体に当たる部分の方言で、「やらまいか（＝やってみよう）」が代表的な方言です。

女優の長澤まさみさんは静岡県磐田市出身です。『世界の中心で、愛をさけぶ』『コンフィデンスマンJP』『銀魂』『キングダム』など数多くのヒット作に出演している日本を代表する女優の一人です。

美人女優姉妹として人気を集めている広瀬アリスさんと広瀬すずさん姉妹は、静岡県静岡市出身です。妹のすずさんはNHK連続テレビ小説の第100作目『なつぞら』でヒロインを務めています。姉のアリスさんは『わろてんか』『探偵が早すぎる』『ラジエーションハウス』など、幅広い演技が注目されています。

俳優の加藤諒さんは、静岡県静岡市出身です。一度見たら忘れないというほどのインパクトある見た目と演技力の高さで今大注目の俳優の一人です。漫画原作の映画『パタリロ！』では主演を務めその強烈な存在感で話題になりました。

俳優の袴田吉彦さんは静岡県浜松市出身です。ジュノンボーイ出身の2枚目俳優ですが、最近ではコミカルな演技も注目されていて、ドラマ『あなたの番です』では、主人公が住むマンションの住人である久住譲役と、袴田吉彦本人役の2役を演じて話題になりました。

ここからは静岡方言の中から、定番・可愛いもの・面白いものを16選でご紹介します。「だら」などの定番から、意味が想像できない「ちんぶりかえる」など、興味深い方言ばかりなので、ぜひ意味を想像しながら見てみてくださいね。

こちらは静岡県内で使われる定番の方言の一つで、「〜だから」と言う意味です。具体的な意味を知らずとも、なんとなく意味が通じる方言ですよね。「明日は試験だもんで早く寝るよ（＝明日は試験だから早く寝るよ）」などと使います。

「いいにする」は、「やめておく」という意味です。「いい」が「良い」という意味に取られ、OKといった意味に思われがちですが、実はNOの意味です。ただなんとなく優しく可愛らしい感じで伝わるので、断る時などに使いやすい言葉ですよね。誘われた時などに、「今日はいいにしとく（＝今日はやめておく）」などと使います。

「うちっち」は「私」「自分」または「自分の家」などを指す一人称の言葉です。男の子だと「俺っち」という言い方をすることもあります。なんだか可愛らしい響きですよね。「今日うちっちくるら？（＝今日うち来るでしょ？）」などと使います。

「がんこ」は標準語では「頑な」という意味で使われますが、静岡方言では「ものすごく」「たくさん」という意味で使われます。「今日はやることががんこある（＝今日はやることがたくさんある）」などと使います。

「くすがる」は「刺さる」という意味です。「とげがくすがった（＝とげが刺さった）」などと使います。標準語の「くすぐる」に似ている言葉なので、ついつい間違えて聞いてしまいそうです。

「けっこい」は「綺麗」という意味です。「あのねーさんけっこいやー（＝あのお姉さん綺麗だなー）」などと使います。静岡に行って「けっこい」と言われたら褒め言葉なので、ぜひ女性は聞き漏らさないよう覚えておきたいですね。

「しょんない」は、「仕方がない」という意味です。全国的に使われる「しょうがない」が訛ってできたような言葉なので、なんとなく意味が通じることが多いですね。過去には静岡のローカル番組で「しょんないTV」というタイトルの番組もあったほど、静岡ではポピュラーな方言です。

「すかす」は「開けておく」という意味です。標準語の「透かす」となんとなく似ているようで異なる意味の方言ですね。「窓をすかしておいて（＝窓を開けておいて）」「鍵をすかしておいて（＝鍵を開けておいて）」などと使います。

「〜せにゃ」は「〜しなければ」という意味です。全国的にも意味が知られている方言の一つですよね。「今日は勉強せにゃいかん（＝今日は勉強しなければいけない）」などと使います。

「たこる」と聞くと、タピオカドリンクを飲むことを「タピる」と言うように、何かを略す言葉のようにも思えますが、「たこる」は静岡方言で「サボる」という意味になります。「仕事をたこる（＝仕事をサボる）」などと使いますが、なかなか意味が推測しにくい方言の一つですね。

「だら」は会話の語尾について、「〜でしょう」「〜だよね」といったニュアンスで使われる代表的な静岡方言です。「だら」ではなく「ら」のみで使うこともあり、少しニュアンスが異なります。

「食べるら？」など「ら」のみの場合は、強制力が弱く「よかったら食べる？」といったニュアンスになりますが、「食べるだら？」となるともう少し強い意味となり、「もちろん食べるよね？」といった意味に近くなります。

「ちょびちょび」は標準語では「少しずつ」といったニュアンスで使われることがある言葉ですが、静岡方言では「ちょっかいを出す」「落ち着きがない」という言葉になります。特に中部や西部地方で使われる方言です。

可愛い響きの方言で、よく大人が小さい子供に対して使われます。「ちょびちょびしていないで早く寝なさい（＝ちょっかい出してないで早く寝なさい）」などと使います。

初めて聞いた時には思わず頭にビックリマークが浮かんでしまいそうな聞き慣れない方言がこちらの「ちんぶりかえる」です。意味は「ふてくされる」です。特に大人が小さい子供に対して使うことが多い言葉です。

「なに、ちんぶりかいてるだ（＝なに、ふてくされてるんだ）」などと使います。静岡県出身の女優・長澤まさみさんが主演ドラマの会見で「ちんぶりかえる」と言う方言を使ったことでも一時話題になりました。

「とぶ」と聞くと、「（鳥が）飛ぶ」や「（水たまりを）跳ぶ」などの意味を想像しますが、静岡方言では「走る」という意味になります。「50m何秒でとんだ？」といった会話を友達としたり、学校では先生に「廊下をとばない！」なんてことを言われたりもするので、初めて聞いた時にはつい「飛ぶ」という意味を想像して驚いてしまいそうですね。

「バカ」は標準語でもよく使う言葉の一つで、相手をからかう時やののしる時に使う言葉ですが、静岡では「すごく」「すごい」と言う意味でよく使用します。「バカ頭が良いね」と言われた時には、「すごく頭が良いね」という意味になります。

静岡以外でも「バカでかい（＝すごく大きい）」などといった使い方をしますが、静岡では「バカ」を多用するということで静岡らしい言い回しの一つです。

「ゆるせい」は「のんびりできる」「気楽な」という意味です。逆にのんびりできないことを「ゆるせくない」と言います。「今日は用事がないからゆるせいやぁ（＝今日は用事がないからのんびりできる）」や、「電話がなりっぱなしでゆるせくない（＝電話がなりっぱなしでのんびりできない）」などと使います。

方言は告白フレーズにすると可愛さが増すもの！と言うことで静岡弁の胸キュン告白フレーズを3選でご紹介します。

「好きだけんさー」は「好きだよ」という意味の静岡方言の王道の告白フレーズです。まっすぐど真ん中の告白フレーズに思わず胸キュンしちゃいそうですね。

「うちっち好きだもんで」は「私、好きだから」という意味です。「うちっち」という響きが可愛らしい印象なので、特に女性からの告白に言われたいフレーズですね。静岡方言の萌えフレーズです。

「好きになったでしょんないら」は、「好きになっちゃったんだからしょうがないじゃん」といった意味のフレーズです。ちょっぴり恥じらいが見られ、王道のストレートな告白フレーズよりもくすぐったい気持ちになりますよね。静岡方言たっぷりの告白フレーズなので、いつ言われても意味を把握できるようにしっかり覚えておきたいフレーズです。

いかがでしたか？静岡の方言について、東部方言や中部方言といった地域差などの特徴や定番・可愛い・面白い方言、さらには胸キュンの告白フレーズをご紹介しました。あまり方言の印象が強くありませんが、ユニークで興味深い方言がたくさんありましたね。たくさんの観光スポットがある静岡県。訪れた際には、地元の人ともコミュニケーションをとってみると、また新たな発見があるかもしれませんよ！